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『最後の精神分析 -フロイトVSルイス-』を観てきました。

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日時:10月12日(土)14:00~
会場:日暮里d-倉庫
作:マーク・セント・ジャーメイン
翻訳・演出:谷賢一
出演:石丸幹二、木場勝己




精神分析の祖で無神論者のジークムント・フロイト。
晩年のフロイトは、ナチス・ドイツの侵攻により、
ウィーンからロンドンへの亡命を余儀なくされ、
病により、先が長くないことを悟っている。

そんなフロイトが、神学者でもある作家の
C・S・ルイスを自宅に招き寄せる。
折しもその日は、第二次世界大戦開戦の日だった。

同じ時代に生きた二人が、実際に会ったら・・・
という想像でのお話。
フロイトの書斎の一室で、約1時間半、
怒涛の言葉の応酬が繰り広げられます。



40才のルイスは、機敏に動き、動作のひとつひとつが大きく、
ゆっくりとしか動くことのできない83才のフロイトとの対比が
はっきりしています。

ときどき、二人の意見が寄り添いそうになりかけるけれど、
結局あいまみえることがないまま真っ向から反発し合い、
それを何度も繰り返します。

神の存在
イエス・キリストのこと
孤独、死、そして無・・・
舞台の進行と同時に、自分の心の中でも
問いただしながら観ていました。



若いルイスを演じた石丸幹二さん。
クラシカルな三つ揃いのスーツ姿で、格調高いスタイルが
お似合いの石丸さんにピッタリ。

皮肉たっぷりの罵声を浴びせられながらも
決して持論を曲げないルイス。
眼力や眉間に至るまでの細かい感情表現、
エネルギッシュな若々しさ、
そして戦争で心と身体に傷を抱えた影をも、
上手く表現されていました。

そして何より、圧巻だったのは、木場勝己さんのフロイト。
声の響きが素晴らしく、人生の重みもずっしりと伝わって
きます。
決して動きは大きくありませんが、
眼鏡の掛け外しの仕草の中に、生きてきた年輪の重みを
感じ取れることができ、
下から見上げる眼光の鋭さに、こちらまで緊張してしまう。
間の取り方も流石の一言で、「へっ?」と、ちょっと
とぼけた相槌ひとつで、クスッと笑ってしまったことが
何度かありました。


似ているけれど、混じり合うことのない二人。
それなのに、いざとなったら自ら命を絶とうと
決めていることを、ルイスだけに打ち明け、
娘にしか触らせなかった人口口蓋もルイスに外させ、
ラジオはニュース以外聴かなかったフロイトが、
ルイスの助言により、ラジオから流れる音楽に
耳を傾ける。
「あぁ・・・フロイトがルイスを受け入れている」

偏屈頑固じいさんが、人間味あふれるおじさまに
思えてきました。

激論の応酬の凄さと、きちんとした答えがないようで
でも、フロイトの心を動かしたものは確かにある
ということの、じわじわくる感動。。。

素晴らしい舞台をみせていただきました。


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